気づき日中の眠気はSASのサイン?受診目安と検査
十分に寝ても眠い、会議中や運転中に眠気が強い方へ。日中の眠気とSASの関係、受診の目安、自宅でできる検査と費用を解説します。

医療法人煌仁会森川内科クリニック
検査は自宅で可能。3割負担で約3,000円から。2026年6月からはCPAPの保険適用基準も緩和されました。尼崎・塚口の呼吸器内科が、検査から治療までの流れと費用を解説します。
国内の潜在患者数(中等症以上)
AHI 15以上の推計(Lancet Respir Med, 2019)
実際にCPAP治療中の人数
9割以上が未診断・未治療のまま
簡易検査の自己負担
保険適用(3割負担)で自宅検査が可能
CPAP治療の月額費用
保険適用(3割負担)で1日あたり約130〜170円
結論:いびきに「呼吸の停止」と「日中の眠気」が加わると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に10秒以上の呼吸停止が1時間あたり5回以上繰り返される病気です。 単純いびき症との最大の違いは、呼吸が止まることで血中酸素濃度が低下し、心臓や脳に負担がかかる点にあります。
未治療の重症SASは、心筋梗塞や脳卒中などを含む心血管イベントのリスク上昇と関連します※1。 また、未治療のSAS患者の交通事故率は健常者の約2.4〜7倍と報告されています※2。
※1 Marin JM et al. Lancet, 2005; 365:1046-53(男性を対象とした観察研究)
※2 Young T et al. Sleep, 1997; 国土交通省自動車交通局啓発資料

結論:SASは自覚しにくい病気であり、放置による健康リスクと社会的リスクが大きいためです。
SASの患者さんの多くは「自分はよく眠れている」と感じています。しかし実際には、睡眠中に何十回〜何百回も呼吸が止まり、脳が覚醒反応を繰り返しているため、深い睡眠が得られていません。
日本には推計940万人(中等症以上)の潜在患者がいるとされますが、実際にCPAP治療を受けているのは約65万人にとどまります。つまり9割以上が未治療のままです。 日中の強い眠気による居眠り運転や労働災害のリスクに加え、高血圧・糖尿病・心疾患などの生活習慣病を悪化させる要因にもなります。
こんな症状はありませんか?
結論:呼吸器内科が最も適しています。SASは「気道(のど)が狭くなる」ことが原因の呼吸器疾患であり、呼吸器内科が診断・治療の中心を担います。
耳鼻咽喉科や歯科(口腔外科)でも対応可能ですが、CPAP療法の管理や合併症(高血圧・糖尿病・心疾患)の総合的なフォローを含めると、内科的な視点を持つ呼吸器内科での受診が効率的です。
当院は呼吸器内科を専門とし、SASの検査から治療、定期フォローまでを一貫して行っています。
結論:まずは自宅でできる簡易検査(3割負担で約3,000円)から始め、必要に応じて機器を郵送する自宅精密PSG検査を行います。
SASの検査には、自宅で行う「簡易検査(パルスオキシメトリー+鼻カニューレ)」と、より詳しく睡眠・呼吸の状態を調べる「精密PSG検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)」があります。簡易検査の結果や症状に応じて、機器をご自宅へ郵送する精密PSG検査をご案内します。
| 検査の種類 | 場所 | 自己負担(3割) | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 簡易検査 | 自宅 | 約3,000円 | 一晩 |
| 精密検査(PSG) | 自宅(機器を郵送) | 6,850円(再診料込み・3割負担) | 検査当日の流れは受診時にご案内 |
自宅精密PSG検査は、健康保険3割負担で再診料込み6,850円が目安です。初診時の費用や追加検査が必要な場合は別途費用がかかることがあります。
結論:基準が緩和され、以前は「対象外」と言われた方が保険適用になる可能性があります。
2026年6月の診療報酬改定により、CPAP療法の保険適用基準が以下のように変更されました。
| 検査方法 | 改定前 | 改定後(2026年6月〜) |
|---|---|---|
| 簡易検査 | AHI 40以上 | AHI 30以上 |
| 精密検査(PSG) | AHI 20以上 | AHI 15以上 |
これにより、中等症(AHI 15〜30程度)の患者さんもCPAP療法の保険適用を受けやすくなりました。「以前検査を受けたが対象外だった」という方も、再検査をおすすめします。
出典:令和8年度診療報酬改定(厚生労働省)
結論:最初は違和感がありますが、多くの方が1〜2週間で慣れます。月額は3割負担で約4,000〜5,000円です。
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続陽圧呼吸療法)は、就寝時に鼻マスクを装着し、空気圧で気道を広げる治療法です。手術は不要で、装着した翌朝から「こんなに違うのか」と実感される方が多くいらっしゃいます。
治療費は保険適用(3割負担)で月額約4,000〜5,000円。1日あたり約130〜170円の計算です。月1回の通院で、マスクのフィッティング調整やデータ確認を行います。
当院では、マスクの種類(鼻マスク・鼻ピロー・フルフェイス)を複数ご用意し、患者さんの顔の形や好みに合わせて選択しています。「合わなかったらどうしよう」という不安がある方も、まずはご相談ください。
「もしかしてSASかも?」と思ったら、以下のステップで治療を進めていきます。
いびきや日中の眠気など、SASのサインに気づく。まずはセルフチェックで確認。
呼吸器内科を受診。自宅で一晩、簡易検査を実施(約3,000円)。
検査結果に基づきCPAP療法を開始。翌朝から効果を実感される方も。
月1回の通院でデータ確認とマスク調整。質の高い睡眠を維持。
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まず確認したい質問
はい。いびきは睡眠時無呼吸症候群の最も多い症状です。特に「呼吸が止まっている」と指摘される場合は、早めの検査をおすすめします。簡易検査は自宅で一晩行うだけで、身体への負担はほとんどありません。
痛みはありません。簡易検査では指先にセンサーを付け、鼻に小さなカニューレを装着して就寝するだけです。翌朝取り外して返却すれば完了です。
必ずしもそうではありません。減量や生活習慣の改善によりAHIが改善すれば、CPAPを卒業できる方もいます。ただし、骨格的な要因が大きい場合は長期使用が必要になることもあります。定期的な検査で判断します。
なります。閉経後はホルモンバランスの変化により発症リスクが上昇します。女性は「いびきをかかない」と思われがちですが、実際には女性患者も多く、見逃されやすいのが現状です。
あります。小児のSASはアデノイド・扁桃肥大が主な原因で、成長障害や学習障害につながることがあります。お子さんのいびきが気になる場合は、耳鼻咽喉科または小児科への相談をおすすめします。
単純いびき症には一定の効果がある場合もありますが、SASには効果が不十分です。SASは気道の物理的な閉塞が原因であり、テープやスプレーでは根本的な解決になりません。まずは検査で原因を特定することが重要です。
体重が原因の一つである場合、10%以上の減量でAHIが有意に改善するという報告があります。ただし、減量だけで完全に治るかは個人差があります。減量と並行してCPAPを継続し、定期検査で判断するのが安全です。
はい、機内持ち込み可能です。CPAPは医療機器として手荷物の個数制限に含まれません。航空会社への事前連絡は推奨されますが、多くの場合スムーズに持ち込めます。海外旅行時も使用を継続してください。
以前の検査でAHI 15〜39だった方は、2026年6月の改定により新たにCPAPの保険適用対象になった可能性があります。過去の検査結果をお持ちの方は、再度ご相談ください。
当院は予約優先制です。WEB予約または電話予約をおすすめしますが、当日の空き状況によっては予約なしでも対応可能です。初診の方はWEB予約が便利です。
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このページの執筆・監修者
医療法人煌仁会 理事長・森川内科クリニック 院長
平成4年(1992年)3月に奈良県立医科大学を卒業し、平成5年(1993年)5月17日に医師免許を取得しました。同大学付属病院(第2内科)で臨床研修を行い、内科医として呼吸器・感染症を含む幅広い診療経験を積んできました。2016年に森川内科クリニックを開院し、2019年に医療法人煌仁会を設立しています。
主な資格・研修:内科専門医、日本医師会認定産業医、温泉療法医、かかりつけ医認知症対応力向上研修修了。所属団体として、日本喘息学会、日本医師会、兵庫県医師会、尼崎市医師会などが公式ページに掲載されています。
確認済みの指定医・認定医:難病指定医、公害指定医、被爆者一般疾病医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医。
いびきや日中の眠気が気になる方へ、検査から治療の選択肢までを分かりやすく解説します。