「たっぷり寝たはずなのに眠い」は危険信号
「昨夜は8時間寝たのに、午前中からもう眠い」「休日にたくさん寝ても疲れが取れない」——こうした経験はありませんか?多くの方が「年齢のせい」「仕事の疲れ」と片付けてしまいがちですが、実はこの症状こそが睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的なサインです。
SASの患者さんは、睡眠中に何度も呼吸が止まるため、脳が十分な休息を取ることができません。本人は「寝ている」つもりでも、脳は一晩中、酸素不足のアラームを受け続けているのです。その結果、睡眠時間は足りていても「睡眠の質」が著しく低下し、日中の強烈な眠気として現れます。
大切なのは、この眠気は決して「怠け」や「気合いの問題」ではないということです。れっきとした病気の症状であり、適切な治療で改善できます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な症状セルフチェック
以下の症状に心当たりはありませんか?複数当てはまる場合は、SASの可能性を考えて医療機関への受診をお勧めします。
大きないびきを指摘されたことがある
睡眠中に呼吸が止まっていると言われたことがある
夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)
朝起きたときに頭痛がある
口やのどが異常に乾いている
日中に強い眠気を感じる
集中力や記憶力が低下したと感じる
最近、血圧が高くなった
これらの症状は、睡眠中の無呼吸によって引き起こされるものです。特に「いびき」と「日中の眠気」の組み合わせは、SASを強く疑うサインとされています。
特に危険!運転中や会議中の強烈な眠気
SASによる眠気は、単に「だるい」というレベルではありません。意思の力では抗えないほどの強烈な眠気が、突然襲ってくることがあります。
国土交通省の調査によると、SAS患者の交通事故率は健常者の約7倍とされています。実際に、長距離トラックやバスの運転手がSASを原因とする居眠り運転で重大事故を起こした事例は、社会問題にもなりました。
運転中だけではありません。大事な会議中にどうしても目を開けていられない、デスクワーク中に気づいたら意識が飛んでいた——こうした経験は、仕事のパフォーマンスを著しく低下させ、キャリアにも影響を及ぼしかねません。
この眠気は「気合い」や「コーヒー」では解決しません。根本原因である睡眠中の無呼吸を治療することが、唯一の解決策です。
眠気の原因を特定するために、まずは検査を
「もしかしてSASかも?」と思ったら、まずは呼吸器内科を受診してください。当院では、ご自宅で手軽にできる「簡易睡眠検査」をご用意しています。
小さな検査機器を一晩装着して眠るだけで、睡眠中の呼吸状態や血中酸素濃度を測定できます。入院の必要はなく、いつもの寝室で、いつも通りに眠っていただくだけです。
検査の結果、SASと診断された場合は、重症度に応じた治療法をご提案いたします。多くの場合、CPAP(シーパップ)療法によって、劇的に眠気が改善します。
「たかが眠気」と放置せず、まずはお気軽にご相談ください。


