十分に寝ても日中に眠いのは、SASのサインですか?
【結論】7時間以上眠っているのに日中の眠気が繰り返される場合、睡眠時間だけでなく睡眠の質が低下している可能性があります。大きないびきや無呼吸の目撃を伴う場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を調べることが大切です。
SASでは、睡眠中に気道が狭くなり、無呼吸や低呼吸、酸素濃度の低下、短い覚醒反応が繰り返されます。本人が完全に目覚めるとは限らないため、「眠っている時間は足りているのに休めていない」状態になり、日中の眠気、集中しにくさ、起床時の頭痛などにつながることがあります。参考文献1:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020。日本呼吸器学会/厚生労働科学研究班、2020年。ホバーまたはフォーカスで書誌情報を表示し、クリックで参考文献リストへ移動します。[1]
眠気は怠けや気合いの問題ではありません。生活・仕事・運転への影響があるときは、原因を医療機関で確認しましょう。
出典:American Academy of Sleep Medicine(ICSD-3-TR)/日本睡眠学会「睡眠時無呼吸症候群」関連資料
SASの可能性を自分で確かめるには?受診前のチェック項目
【結論】「いびき」「睡眠中の無呼吸を目撃された」「日中の眠気」のうち複数がある場合は、検査を検討する目安になります。自己チェックは診断ではありませんが、受診時に症状を整理する助けになります。
ほぼ毎晩、大きないびきを指摘される
いびきの途中で呼吸が止まる、むせる、あえぐ様子があると言われた
起床時に頭痛、口の渇き、熟睡感のなさがある
会議、読書、テレビ視聴などで意図せず眠ってしまう
高血圧、肥満、糖尿病などを指摘されている
当院のセルフチェックは受診の目安を整理するためのものです。高リスクの結果が出た場合や、運転中の眠気がある場合は、自己判断で様子を見ずにご相談ください。
出典:Epworth Sleepiness Scale(日本語版)/日本循環器学会ほか 睡眠時無呼吸症候群関連ガイドライン
眠気があるまま運転しても大丈夫?事故リスクは?
【結論】眠気を感じる状態での運転は避けてください。未治療のSASでは交通事故リスクの上昇が報告されており、眠気がある日は運転を中止・延期する、公共交通機関を使うなどの安全策が必要です。
研究では、SASのある人の交通事故リスクは健常者より高いことが示されています。リスクの大きさは研究の対象・重症度・測定方法によって異なりますが、メタ解析ではおよそ2倍以上の上昇が報告されています。参考文献2:Obstructive Sleep Apnea and Risk of Motor Vehicle Crash: Systematic Review and Meta-Analysis。Sleep(Tregear S, et al.)、2009年。ホバーまたはフォーカスで書誌情報を表示し、クリックで参考文献リストへ移動します。[2]
「眠気が強い」「一瞬意識が飛んだ気がする」「信号待ちで寝そうになる」と感じたら、コーヒーや気合いで運転を続けないでください。受診して原因を確認し、治療が必要な場合は治療を継続することが、ご本人と周囲の安全につながります。
出典:Tregear S et al. Sleep. 2009;32(11):1373-1383(SASと自動車事故リスクのメタ解析)
日中の眠気があるとき、検査はどう始める?費用は?
【結論】まずは問診と自宅で行う簡易睡眠検査から始められます。入院が必須ではなく、3割負担の検査費用は概ね約2,700〜3,000円が目安です(初再診料などは別途)。
簡易検査では、就寝時に小型機器を装着し、呼吸状態や酸素濃度の変化を記録します。検査結果に応じて、CPAP治療の適応を判断したり、より詳しい精密検査(PSG)を提案したりします。
眠気には薬、睡眠不足、うつ状態など別の原因もあります。だからこそ「SASだろう」と決めつけず、症状・生活習慣・既往歴を含めて医師に相談することが重要です。
費用の目安:健康保険3割負担、当院での簡易検査の概算。実際の自己負担額は診療内容・保険負担割合により変動します。
このページの執筆・監修者
森川 髙司(もりかわ たかし)
医療法人煌仁会 理事長・森川内科クリニック 院長
平成4年(1992年)3月に奈良県立医科大学を卒業し、平成5年(1993年)5月17日に医師免許を取得しました。同大学付属病院(第2内科)で臨床研修を行い、内科医として呼吸器・感染症を含む幅広い診療経験を積んできました。2016年に森川内科クリニックを開院し、2019年に医療法人煌仁会を設立しています。
主な資格・研修:内科専門医、日本医師会認定産業医、温泉療法医、かかりつけ医認知症対応力向上研修修了。所属団体として、日本喘息学会、日本医師会、兵庫県医師会、尼崎市医師会などが公式ページに掲載されています。
確認済みの指定医・認定医:難病指定医、公害指定医、被爆者一般疾病医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医。
いびきや日中の眠気が気になる方へ、検査から治療の選択肢までを分かりやすく解説します。
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- 医療監修日
監修の根拠・参考文献
本記事は、以下の診療ガイドライン・査読文献・公的機関または事業者の公式案内を参考に、医師が内容を確認しています。
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