女性で大きないびきがなくても、SASの可能性はある?
【結論】あります。大きないびきや無呼吸の目撃は重要なサインですが、これらが目立たないからといってSASを完全に否定することはできません。女性では、不眠、疲労感、起床時頭痛、気分の不調など、典型的ではない訴えで現れることがあります。参考文献2:Evaluation of Obstructive Sleep Apnea in Female Patients in Primary Care: Time for Improvement?。Medicina(Bouloukaki I, et al.)、2021年。ホバーまたはフォーカスで書誌情報を表示し、クリックで参考文献リストへ移動します。[2]
SASの有無や重症度は、症状だけでは決められません。睡眠時間を確保しても休んだ感じがしない、日中の生活に支障がある、血圧や体重の変化が気になるなどの場合は、睡眠や呼吸の状態を医師に相談しましょう。
「女性だから」「太っていないから」「いびきを指摘されたことがないから」と自己判断で除外せず、症状と背景を合わせて評価することが大切です。
出典:Bouloukaki I, et al. Evaluation of Obstructive Sleep Apnea in Female Patients in Primary Care. Med Princ Pract. 2021
女性で見逃されやすいSASの症状には何がある?
【結論】不眠、眠りの浅さ、疲れやすさ、起床時の頭痛、夜間に何度も目が覚めることなどは、女性のSASでみられることがある症状です。ただし、これらはSASだけに特有の症状ではなく、ほかの睡眠障害や体の病気でも起こるため、検査で確認する必要があります。
パートナーと別室で寝ている、ひとりで寝ているなど、いびきや呼吸停止を指摘される機会が少ないこともあります。家族が気づいた「息が止まる」「むせる」「寝返りが多い」といった様子があれば、受診時にお伝えください。
日中の強い眠気だけでなく、集中しづらい、気分が晴れない、十分に寝ても回復感がないといった困りごとも、睡眠の状態を見直すきっかけになります。
出典:Bouloukaki I, et al. Med Princ Pract. 2021/日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」
更年期以降はSASを意識した方がよい?
【結論】年齢とともにSASの評価が必要になることはあります。女性では閉経後にOSAの頻度が増えることが報告されており、更年期以降の睡眠の変化を「年齢のせい」と決めつけないことが大切です。
ただし、更年期の不眠、ほてり、気分の変化とSASの症状は重なることがあります。症状だけで原因を決めず、睡眠の質、眠気、血圧、体重変化、併存症などを医師と一緒に確認しましょう。
いびきや無呼吸の目撃がなくても、朝の頭痛や熟睡感のなさが続く、睡眠中に何度も目が覚める、日中の活動に影響する場合は、相談の目安になります。
出典:Bouloukaki I, et al. Med Princ Pract. 2021
受診時に何を伝える?検査はどのように進む?
【結論】受診時には、睡眠時間、途中で目が覚める回数、起床時の状態、日中の眠気、家族が見た睡眠中の様子、既往歴と服薬をお伝えください。必要に応じて自宅で行う簡易睡眠検査から始め、結果によって精密検査や治療を検討します。参考文献1:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020。日本呼吸器学会/厚生労働科学研究班、2020年。ホバーまたはフォーカスで書誌情報を表示し、クリックで参考文献リストへ移動します。[1]
女性のSASでは、症状が典型的でないことがあるため、質問票だけで診断することはできません。当院のセルフチェックは受診時に症状を整理するための目安であり、診断ではありません。
運転中に眠気を感じる、居眠りしそうになるといった場合は、運転を避けて早めにご相談ください。原因がSASとは限りませんが、安全を優先して評価することが大切です。
出典:日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」
このページの執筆・監修者
森川 髙司(もりかわ たかし)
医療法人煌仁会 理事長・森川内科クリニック 院長
平成4年(1992年)3月に奈良県立医科大学を卒業し、平成5年(1993年)5月17日に医師免許を取得しました。同大学付属病院(第2内科)で臨床研修を行い、内科医として呼吸器・感染症を含む幅広い診療経験を積んできました。2016年に森川内科クリニックを開院し、2019年に医療法人煌仁会を設立しています。
主な資格・研修:内科専門医、日本医師会認定産業医、温泉療法医、かかりつけ医認知症対応力向上研修修了。所属団体として、日本喘息学会、日本医師会、兵庫県医師会、尼崎市医師会などが公式ページに掲載されています。
確認済みの指定医・認定医:難病指定医、公害指定医、被爆者一般疾病医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医。
いびきや日中の眠気が気になる方へ、検査から治療の選択肢までを分かりやすく解説します。
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- 医療監修日
監修の根拠・参考文献
本記事は、以下の診療ガイドライン・査読文献・公的機関または事業者の公式案内を参考に、医師が内容を確認しています。
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