SASの治療はCPAPだけ?まず検査結果で選びます
【結論】SASの治療はCPAPだけではありませんが、自己判断で選ぶものではありません。無呼吸の程度、日中の眠気、酸素低下、体格、鼻やのど・あごの状態、併存症などを総合して、医師が治療の選択肢を検討します。参考文献1:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020。日本呼吸器学会/厚生労働科学研究班、2020年。ホバーまたはフォーカスで書誌情報を表示し、クリックで参考文献リストへ移動します。[1]
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療としては、CPAP療法、口腔内装置(マウスピース)、減量・飲酒の見直しなどの生活習慣への介入、体位療法、鼻やのどの状態によっては耳鼻咽喉科的な治療が検討されます。どれか一つがすべての方に最適というわけではありません。
いびきだけを抑えたいのか、無呼吸・酸素低下・眠気まで改善する必要があるのかによっても、優先すべき評価が異なります。まずは睡眠検査を受け、治療が必要な状態かを確認することが出発点です。
出典:日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」
CPAPはどのような治療?どんなときに中心的な選択肢になる?
【結論】CPAPは、マスクから空気を送り、睡眠中に狭くなる気道を保つ治療です。無呼吸・低呼吸が多い場合や、眠気・酸素低下などを伴う場合に、中心的な治療選択肢として検討されます。
CPAPは、機器を使っている間に気道の閉塞を抑える治療で、鼻やのどの形そのものを変える治療ではありません。治療の効果を得るには、実際に使えること、マスクが合っていること、定期的に使用状況を確認することが重要です。
違和感、空気漏れ、乾燥などがあるときは、マスクの種類やフィット、加湿などの調整で改善することがあります。続けにくいと感じた場合も、自己判断で中断せず、主治医に相談してください。
出典:日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」
マウスピース(口腔内装置)はどのような人に検討される?
【結論】口腔内装置は、下あごを前方へ支えて気道を保ちやすくする治療です。CPAPが合わない、または代替治療を希望する成人OSA患者などで検討されることがありますが、適応の判断と作製・調整・効果確認が必要です。
口腔内装置は、既製品ではなく、歯科医が個別に作製・調整する装置が推奨されています。顎関節や歯並びへの影響、かみ合わせの変化などを確認する定期フォローも大切です。また、装置を作った後にも睡眠検査で治療効果を確認することが推奨されています。
CPAPと比べると、睡眠呼吸障害の低減や酸素化の改善ではCPAPが優れるという報告があります。一方で、装着感や生活スタイルなどを踏まえ、患者さんごとに選択を検討します。当院で口腔内装置を実施するとは記載していません。必要時は適切な評価先についてご相談ください。
出典:AASM/AADSM Clinical Practice Guideline for Oral Appliance Therapy(2015)
減量・横向き寝・手術だけで治る?生活習慣と耳鼻咽喉科的治療の役割
【結論】体重、飲酒、寝る姿勢、鼻やのどの状態はSASに影響し得ますが、生活習慣の見直しだけで治療を置き換えられるかは個人差があります。無呼吸が確認されている場合は、治療の中断や変更を自己判断で行わないことが重要です。
肥満がある方では、減量が無呼吸の改善に役立つことがあります。仰向けで悪化するタイプでは体位への介入を検討することもあります。ただし、いずれも検査結果や症状を確認しながら行います。就寝前の過度な飲酒は気道を狭めるおそれがあるため、控えることが勧められます。
鼻づまり、扁桃の大きさ、あごの形など構造的な要因が強く疑われる場合は、耳鼻咽喉科での評価や手術が選択肢になることがあります。治療を比較したいときは、まず現在の検査結果と困っている症状を医師へお伝えください。参考文献2:閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔内装置に関する診療ガイドライン(装置の作製に関するテクニカルアプレイザル:2020年版)。日本睡眠歯科学会、2020年。ホバーまたはフォーカスで書誌情報を表示し、クリックで参考文献リストへ移動します。[2]
出典:日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」
このページの執筆・監修者
森川 髙司(もりかわ たかし)
医療法人煌仁会 理事長・森川内科クリニック 院長
平成4年(1992年)3月に奈良県立医科大学を卒業し、平成5年(1993年)5月17日に医師免許を取得しました。同大学付属病院(第2内科)で臨床研修を行い、内科医として呼吸器・感染症を含む幅広い診療経験を積んできました。2016年に森川内科クリニックを開院し、2019年に医療法人煌仁会を設立しています。
主な資格・研修:内科専門医、日本医師会認定産業医、温泉療法医、かかりつけ医認知症対応力向上研修修了。所属団体として、日本喘息学会、日本医師会、兵庫県医師会、尼崎市医師会などが公式ページに掲載されています。
確認済みの指定医・認定医:難病指定医、公害指定医、被爆者一般疾病医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医。
いびきや日中の眠気が気になる方へ、検査から治療の選択肢までを分かりやすく解説します。
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- 医療監修日
監修の根拠・参考文献
本記事は、以下の診療ガイドライン・査読文献・公的機関または事業者の公式案内を参考に、医師が内容を確認しています。
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